一途な彼と不器用彼女①
いや、さっきも英語はちらほら聞こえてたんだけどやっぱり有名な大学病院だからこそ人が多い。
とりあえず私たちは受け付けに向かった。
啓「〈すいません。
私は日本から来ました、医科大学付属病院医院長の暁といいますが、ジェームズ先生はおられますでしょうか?〉」
(〈〉の中は全て英語で話しています)
「〈あの暁先生ですね?
医院長から聞いています。
はい、いまから病室へと案内します。
今回の患者様は紺野様でお待ちがいないでしょうか?〉」
あのってどのなんだろう?
啓ってそんなに有名なわけ?
あとで疾風に聞いてみよ。
啓「〈はい、できれば個室にしてもらいたいのですが...〉」
「〈それも医院長からお聞きしてますので大丈夫ですよ?
ではいまから病室に案内します。〉」
と言いながらその人はカウンターから出て私たちを案内してくれるらしい。
蒼依「ねぇ疾風、啓ってそんなに有名なわけ?」
さっきまで疑問に思っていたことを疾風に問いかける。
疾風「ああ、日本医者連盟の会長を勤めているらしいからな。
日本では一番腕がいい医者らしいぞ?」
蒼依「へー...私初耳なんだけど。」
私そんな事一度も聞いたことがない。
疾風「まぁな。
あいつはあいつでお前はもう知っていると思ったんだろう。」
疾風はそういいながら「あいつバカだから」といった。
じゃあそのバカが日本の医者で一番有名ってどんだけ日本は衰えているの。
「〈こちら506号室が紺野様のお部屋となります。
まもなく医院長と看護師、そして麻酔科医師と助手の医師が来られますのでそれまでしばらくお待ちください。〉」
「〈失礼しました。〉」と行って出ていった受付の人。