一途な彼と不器用彼女①
私は鞄から携帯を取り出す。
疾風、疾風、疾風…。
疾風の名前を探そうとしても苦しくて頭が真っ白になる。
──バン!
?・?「やばい、蒼依!
優依と蒼兎が!
って蒼依!?おい!」
屋上のドアから派手な音を出してやってきたのは。
私が今の今まで助けを呼んでいた疾風(Hayate)と空良(Sora)。
わかってるよ、助けにいかないと。
でも体が思うように動かないの。
蒼依「疾…風…鞄…。」
疾風「これだな!
ちょっと待ってろ!」
そうして疾風は自分の口に水を含みそして薬を自分の口に入れ私に口移しをしてきた。
今は口移しがどうとか言える問題ではない。
普通の時は絶対怒ってるけどね?
空良「蒼依大丈夫か!?
今回はどこが痛い?苦しいか?」
蒼依「心臓…と肺が…苦しいだけ。
楽になってきた…から。」
疾風「そうか…。」
私たちの話を聞いていればわかると思うけど。
私には持病がある。
喘息と心臓病の2つ。
珍しいパターンかもしれない。
今の医学的に治す方法は移植しかないって医者に言われた。
そしてこの命はもって18歳まで。
それをわかっている疾風と空良だからほら、また悲しそうな顔をする。