一途な彼と不器用彼女①


私は写真立てを見る。


やはりこのときが一番幸せたったと思う。


大切な人が側にいて、守りたいものがすぐ側にあるこの環境が一番幸せだっただろう。


そうこの写真立ての中の写真は...



──王覇のみんなと過ごした時の写真...



このときの私はまさか心臓移植をするなんて考えてなかっただろう。


移植するぐらいなら死んだ方がましだ。


そう思うといまから自分が移植を受けるなんて信じられない。


私が移植を受けようと決心ついたのはあの一通の手紙から。


私は優兎斗の人生を壊したんだ。


叶えたい夢もあったと思う。


なら最後に私は優兎斗の願いを叶えてあげたい。


それがいま自分が優兎斗にできる償いだと思う。


梨絵「蒼依片付いた?
ってまだ全然できてないじゃん!
私もうできたよ?
早くしないとナンチャラ先生来ちゃうよ!
名前は忘れたけど...。」


「もーしょうがないなー」と言いながら手伝う梨絵。


まず梨絵さん、ドクターの名前ぐらい覚えてやってよ。


そのドクター可哀想だよ。


なんて思いながら私は梨絵と一緒に片付ける。


そしてあれから3分...


梨絵「終わったぁー!」


なんとか無事に終わりました。


と言っても2人でやったから3分しか掛からなかったけど。


それにしても医者遅いよね。


なんて思っていると


ガラガラガラ...


?「イヤー優依たちと遊ぶと疲れるなー!」


大きな声で啓が入ってきた。


いや、それにつられて男性3人と子供2人と女性2人入ってきた。


ん?女性?


あ、男性1人と女性2人は医者って訳ね。


ビックリするじゃん。


元々女を寄せ付けない奴等が女を連れてきてたからね。


?「〈こんにちは紺野様。
私はここの医院長であり、あなたの担当医となりましたジェームズと申します。
よろしくお願いします。〉」


?「〈私は医院長の助手のマリアと申します。
よろしくお願いします。〉」


?「〈私は麻酔医のエミリーと申します。
今回の麻酔は私が担当することになりました。
よろしくお願いします。〉」


と3人は礼儀正しく英語で挨拶する。


今11時半だからもうすぐ手術の時間になる。


今先生が来たのなら今回の手術の説明をするために来たんだろう。


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