一途な彼と不器用彼女①
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王覇のみんなへ
みんな元気にしてる?
まぁ私よりは元気だろうけどね。
この間はごめん。
勝手に裏切ってしまって。
こんな手紙を書いても信じてくれないと思うけどいちを書きます。
短い間だったけど王覇の王姫に私を採用してくれてありがとう。
最初は陸たちに媚ってたから信じてもらうにも時間がかかったけどでも王覇で過ごした時間は楽しかった。
もうこの空間にも入れないと思ったら寂しい。
って手紙だから言えることだけど。
でも短い間だけでも幸せな時間をくれてありがとう。
これからは私の事なんか忘れて前に向かってよ?
あ、今回の事件で女性が信じきれなくなったらごめん。
でも女性みんながそんな奴らとは限らないから。
だからこれからは色々経験をして頑張って。
これからもそばで見守りたかったけどでもそれは無理だから。
でもどんなときでもみんなの味方だから。
それだけは忘れちゃだめだからね。
短い間だったけどありがとうございました。
───
陸が読み終えるとみんな悔しそうにしていた。
戒「クソ...!
なんだよ...!」
順「...んでだよ...。
隣におることはもう無理...?
そんなわけねーだろ!」
魁柊「...忘れろ?...んなことできるかよ!
...できてたら、今ごろこんなに悩んでねーよ!」
夏々「なんで...いつも他人ばかり気にするわけ...?」
那緒「お前がいないのに...幸せになれるか...バカ...。」
陸「クソ...おい、蒼依は今どこにいる」
後悔してからでは何もかも遅いんだよ。
大切なものは突き放してからにしか気づかないんだよ。
優依「それは自分の手で探さなきゃだめでしょ?
でもまぁ1つ言えるならママは自分と戦いにいったよ。」
蒼兎「なぁ...ママが裏切る前まで何処かの族に闇討ちにあってたよね?
でもある日を境になくなった。
可笑しいって誰も気づかないわけ?」
王覇「...........。」
蒼兎「なんで...ママは...。
俺はママがする事が理解不能だったよ。
だって自分の命を失うかもしれないのにそれでもその族を1人で潰しに行ったんだよ。」
そうだよ、ママはおかしいの。
わざわざ自分の命を犠牲にする人なんていない。
王覇「..............!?」
夏々「じゃあ...蒼依は...!?」
優依「大丈夫だよ。
たぶん生きているから。」
たぶん...ね?
もしかするとこれから死んでいくかもしれない。
だってまだ目が覚めたって言う電話が医者から来てないんだもん。