一途な彼と不器用彼女①


そうすれば以前の私とはばれないはず。


陸「俺の元仲間にも同姓同名のやつがいたな。
いや、今はどこにいるかわからないが今でもあいつは仲間だ。」


つ!?


蒼依「そう...ですか。
ではその人は幸福者ですね?
あなた達にこんなにも思われて...。」


幸福者だね。私。


陸「まぁ...な?
あいつは体力面では強いけどさ実は弱いんだよ。
まぁ、そこが好きな所なんだけどな。」


そういや、優兎斗も同じこと言ってた。


そして好きなところといった時陸は愛しいそうな顔をしていた。


でもあえてわからないフリをした。


そこに気づいてしまったら私は壊れてしまうから。


蒼依「あ、つきましたニコ
では私は失礼しますね?
星あとはよろしくね?」


星「蒼依本当にありがとうな!」


私はみんなに頭を下げてそして控え室へと向かう。


そう、これで会うのは最後。


だからこそ寂しい。


だからこそ本当のことを言いたくなる。


話せないことがもどかしい。


陸「蒼依!」


ドキッ...。


え、今...陸が...。


陸「って、わりー。
間違えたわ。」


だよね...バレるはずがない。


私の演技は完璧だもの。


蒼依「いえ、大丈夫ですよ?ニコ
では失礼しますね?」


私は涙がこぼれそうになるのを必死に耐えた。


そして王覇が見えなくなったときやっと涙が一粒こぼれた。


なんでこんなに泣けるんだろうか。


なんで陸の顔をみると胸が痛むんだろうか。


陸の声がすごく愛しいのだろうか。


...あ...そっか...私陸のこと...



──好きなんだ...



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