一途な彼と不器用彼女①


何十枚書いた中から10枚ほど抜き出す。


これで夏服の分は終わり。


陸「なんかすげーな。」


蒼依「なにが?」


陸「高校生とは思えない。」


蒼依「まぁもう18になったし。」


って昨日で18か。


17の時は本当に充実してた気がする。


まぁ17の最初だけだけど。


陸「あ、そうか。
もう....1...8...って蒼依生きてるし。
なんで生きてんの?」


蒼依「そりゃ生きてるでしょ。
今ここにいるんだし。」


なに、生きてたら悪いわけ?


陸「い、いやそうじゃなくてな。
お前前に18までしかいきれないって言ってたし。」


あ、そっか。


陸には手術したこと伝えてないんだっけ?


伝えてないならそりゃビックリするか。


蒼依「陸、実は...。」


こうして私は今までの経路を語った。


唯斗と話したときの内容も


手術するために裏切った事も


手術をするために自分の家も捨てたこと。


手術が成功したことすべて。


私がすべて話終えると陸は複雑な顔をしていた。


蒼依「もうそんな顔しないで。
何も責任感じなくていいじゃん。」


陸「お前が手術を受けてくれたことは嬉しい。
でも俺らに一言でも言ってたらお前はまだ王姫だったのになって思った。
俺らは何も蒼依の事なんてわかってなかったんだ。」


こうして陸はうつむく。


でも、陸の考えは違う。


だって悪いのはダレ?


この話に悪人はいるわけ?


気づけなかったのは私が言わなかったから。


それだけなのに何に責任感じるわけ?


でもひとつ伝えなければいけないことがある。


そう思いながら私はブラが見えないところまで服を下げる。


私の動作に戸惑う陸。


でもある傷を見ると目を見開く。


蒼依「この傷は一生消えないもの。
でもこの傷のお陰で陸たちの事考えることができた。
私やっぱり生きててよかったよ。
それを気づかせてもらったのは陸なんだよ。
だからもうそれでいいじゃん。
これは誰が悪い訳じゃない。
悪い人なんていないんだよ。」


陸「蒼依ごめんな...。」


蒼依「私からしたらごめんよりありがとうの方が嬉しいんだけど。」


そういいながら微笑む。


すると陸はまた私の事抱き締める。


この一つ一つの動作が愛しいなんて私アホになったのかしら?


< 300 / 356 >

この作品をシェア

pagetop