一途な彼と不器用彼女①


まぁうるさいから電話に出るけど。


ってかみんなから“早く出て切れ”って伝わってくるし。


蒼依「何、クソ爺。」


夏生「うわー!
久しぶりの蒼依!
俺声聞けただけで死ねるかも!」


だったら死んでろよ。


私はお前の声なんか聞きたくないし。


蒼依「なら死んどけ。
用がないならキリマスヨ?」


すこーし黒いオーラを出す。


夏生「わぁー!まてまてまて!
俺はちゃんとした用事があって連絡したんだよ!
それに電話越しから黒いオーラ投げてくるな!」


蒼依「本当に切ってよろしいですか?」


夏生「バッカヤロー!ダメダメだ!
俺はお前に用があったんだ!」


ねぇ、こいつの話聞いてたら用事がないようにしか聞こえない。


こいつ本当に頭大丈夫なわけ?


蒼依「なら、早くいってください。
まぁしょうもない用事ならコロシマスヨ?」


まぁこれだけ脅せば大丈夫かな。


本当に殺すわけないけど。


こいつもこいつなりに用事があるらしいしね。


たいした用事じゃないかもしれないけど。


夏生「黒狼、私姫木組組長としてお前に頼みがある。」


ふーん...姫木組組長としてのお願いね。


だとすると組関係か?


それともクソガキ共か?


(ちなみに黒狼〈Kokuro〉とは蒼依の情報屋の時のコードネームです。)


蒼依「はい、姫木組組長様。
今回はどのような事でしょうか?」


まぁどちらにしろ私は引き受けるつもりだ。


夏生から頭下げることはほとんどないしな。


それほど今回は厄介な案件なんだろう。


夏生「実は私の娘が姫の族に北の者が入ってきたようだ。
北の組長はなぜ北の者をあの族に入れさしたかわからない。
だからお前にその件を探ってほしい。
状況によれば北の組を潰してもいい。」


つまり...私に情報を集めろと?


北の者が王覇に入ってきた理由を。


フ...そんなの朝飯前だ。


ってか夏生さんは知ってたんだね。


北の者が王覇に入ってきたこと。


まぁ自分の娘が所属している族だしね。


自分の娘に何かされたら困るから私に頼んだわけか。


蒼依「姫木組組長その案件この私が最後まで調べさせていただきます。
ですが今アメリカにいるため早くても明日の夜に日本に帰る事になりますがよろしいでしょうか?」


今から日本に帰るのは無理。


まずこれから大手企業との交流会だしね。


明日は会社に出勤することになっているから早くても明日の夜になる。


夏生「それでいい。
頼むぞ黒狼。」


蒼依「承知いたしました。」


って事は明日にすべて仕事を終えなきゃいけないんだよね?


はー...夏生さんも急すぎるな。


夏生「と言うわけで俺の愛しの蒼依ー♡
早く俺のところにもど...ブチっ」


ふー電話終了。


え、拒否反応出てないって?


いや、出てるよ。


ほら、この腕ブツブツだらけでしょ。


って言っても見えないから意味ないか。


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