一途な彼と不器用彼女①


私は驚きすぎて言葉に出なかった。


だって私にはもう両親いない。


だからこそ子供の育て方もわからない。


自分にも育てる自信がなかった。


でもこの時優兎斗は産んでくれっと頼んできた。


この時なんでこんなに必死だったかわからなかったけどでも今ならわかる。


だって優兎斗は予知夢が見れるからね。


この時優兎斗は最後に私に最高のプレゼントを残してくれた。


そして私はこの子達を育てようとおもった。


妊娠していることがわかって9か月前。


もうすぐ出産もあって私のお腹は膨れるぐらい大きかった。


もうすぐ会えるんだそうおもってたのにね。


ある事件によって私たちの幸せが奪われるなんて。


最近blue roseが狙われているって情報を聞いた。


もちろん私はこんなお腹だから喧嘩している訳じゃないし今は活動停止中。


だから疾風たちから聞いた情報じゃないから真偽がつけれない。


その辺の不良から盗み聞きしただけの情報だし。


でももしみんなが狙われているのなら?


そう思うようになって私はいつも優兎斗が部屋から出て行くたびに心配する。


今は笑顔で行ってきます。って言ってるけど明日は?明後日は?来年は?そう思うと不安でしょうがなかった。


今は危害が出てないだけでましなのかもしれない。


でも今の私は足手まとい。


別にこの子達が悪い訳じゃないけどね。


今狙われるなら何もできない私を狙うだろう。


そうなったら?どうするわけ?


そう思うたびに不安で不安でしょうがない。


不安に感じる日々はなかなか終わってはくれない。


そして今日、この日はお母さんが死んだ日。


つまり4月15日...私の誕生日の一ヶ月前の日。


blue roseのみんなで走りに行く日。


もちろん私は妊婦なため観客として野次馬が集まるところでの観覧だけど。


あ、なんで観客が集まるかはみんな美女美男だからね。


女は目の保養に男は憧れの暴走族のためみんな見に来る。


特にこの日は結構の人がいた。


私はついさっき優兎斗からLINEがあって“もうすぐそっちに向かう”と言うこともありできるだけ前に並んだ。


すると遠くから聞きなれたバイクの音。


女も男も声援をあげていた。


そして私たちの前を優兎斗たちが通った。


あー観客からしたらこんな感じなんだ。


バイクのライトが星のよう...。


あーなんて今日は母にとっても私にとっても最高の日なんだろう。


そう思ってた、いやそう思いたかった。


でも目の前に起きた事に私は目を疑った。


だって...目の前で...優兎斗が血を流しながら倒れていたから...。


嘘だと思いたかった。


でも回りの声からして事実なのはたしか。


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