一途な彼と不器用彼女①


那緒「俺もそこ知りたい。」


蒼依「まぁ別にいいけど怒んないでよ。」


こいつら絶対怒るに決まってる。


だって“熱田悠葵とやりあうためと手術でもし死んでしまったら困ること。
あとは迷惑かけたくない”なんて言ったら絶対こいつら怒るし。


陸「まぁ内容によるがな。」


潤「とりあえず話してみなきゃわかんねーよ?」


できれば話したくないんだけど星とも約束したしね。


しゃーないよね、言い出しっぺ私なんだし。


蒼依「もう全部話すから。」


そして私は長々と今までの事を陸たちに伝えた。


黒蝶として活動してた事。


熱田悠葵を殺るために王覇を抜けたこと。


手術をするためにアメリカに旅だったこと。


すべて陸たちに話した。


蒼依「ってところかな?」


みんなもう顔からして呆れているよね。


こりゃ怒られるよね。


夏々「なんでもっと私たちを頼らないの!?
私と蒼依との友情ってこんなに薄っぺらいの!?
蒼依はいつもそうじゃん!
回りの相談には乗るのに私には頼らないってどういう神経しているわけ!?」


魁柊「夏々の言う通りだ。
何が迷惑かけたくないだ?
お前は誰に迷惑かけてるんだよ?
お前がいなくなる方がよっぽど俺らは迷惑してんだよ!
元に陸がそうだろ!?
お前がいないから夜な夜なお前の事探してたんじゃねーのかよ!?」


なんでここはこんなに暖かいの。


みんなバカだよね。


こんな人殺しと一緒にいたってなんも変わらないのに。


逆に自分達が殺されるんじゃないって普通思うもんだよ。


潤「俺らは蒼依といたい。
ただそれだけでじゃダメなのかよ。」


違うから。


私もみんなといたい。


でも私が背負った罪は?


お父さんを殺したのだって私。


優兎斗を殺したのだって私だよ。


あー何が吹っ切れただよ。


昨日の私がいやだ。


結局みんなに話しても残るのは罪の重さだけ。


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