一途な彼と不器用彼女①
*蒼依side*


誰が今の私を止めてくれるだろうか...。


私はもう私ではない。


憎しみに...恨みに負けた...悪魔だ。


相手はもう意識ないと思う。


もう前の顔と今の顔と変わっているだろう。


でももう誰も私を止めるものなんて...。


パシッ...


そんなとき私は誰かによって手を止められた。


まさか私を止めるものがまだいたなんて。


そう思い驚きながら後ろを振り向く。


........................。


回りも私も言葉が出なかった。


誰が予想していただろうか。


?「蒼依...これ以上はやめろ。
これ以上するとお前の男殺したこいつみたいになんぞ。
それでもいいのか?」


まさか...


蒼依「ねぇ...私はダレ?
ねぇ...──。」


陸が私を止めてくれるなんて。


誰が予想できていただろう。


陸「お前はお前だ。
今の自分も昔の自分も未来の自分もすべて蒼依なんだよ。
自分だからこそ何からにも目を背けちゃいけない。
すべて受け止めていくしかないんだよ。
蒼依の両親や蒼依の男が死んだのだって最終的には受け止めなきゃいけない。
それが何年かかってもいい。
ゆっくりでいいから受け止めれるようになればいいんだ。」


そうして陸は微笑んだ。


蒼依「わかってる...。
けど...受け止めれるか...わからない。
怖い...パパ達や優兎斗のこと忘れるのが。
もう誰も失いたくない...。
ねぇ...陸どうしたらいい...?」


本当はすべてわかっている。


受け止めなきゃいけないのも。


でも現在存在がないのだからいずれ忘れてしまうかもしれない。


そう思うと怖くて仕方なかった。


どうやって受け止めるべきか。


それが全くわからなかった。


陸ともどうやって接すればいいかわからなかった。


私はこの思いをすべて陸に伝える。


すると陸は優しく抱き締める。


陸「蒼依が背負っているもんすべて俺に背負わせろ。な?」


その言葉に私はうなずくことしかできなかった。


そしてそれと同時に意識が飛んでいった。


< 335 / 356 >

この作品をシェア

pagetop