一途な彼と不器用彼女①




蒼依「もしもし?」



疾風「俺だ。」



蒼依「なに?
俺俺詐欺かしら?」



疾風「なわけないだろ。
俺だよ、疾風!!!」



わかってるし。


ちょっと疾風をいじめてみただけ。



蒼依「わかってるよ、そんなの。
それより用はなに?」



疾風「ああ。
もうすぐ昼だから理事長室にこいよ?」



ほらね?言った通りでしょ?


疾風が電話してくるときは大概用事の時だけだから。



蒼依「わかってるから。
でも今目の前に王覇がいるから無理。
疾風迎えにきて。」



疾風「今行く。」



──プープープー



疾風が来たらうるさくなると思う。


ほら、短気君とかが騒いじゃいそうだし。



陸「理事長からか?」



蒼依「うん。
疾風達しか電話しないから。」



こんなに私に執着してくる人なんて5人しかいない。



──私がヒトゴロシだから。



あの日から誰も私には構わない。


構ってしまえば殺られるから。



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