君とすごした5日間
少し待つと…来た。

鮎だ。


釣っては、リユースしてを繰り返し、結構時間がたった。



「そろそろ帰るか」


用具をまとめ、歩きだそうと思ったとき、


「あのぉ…」


声が聞こえた方へ俺は振り向いた。


「……っ~」


そこには、ありえないくらい綺麗な女の子が立っていた。


透き通るように白い肌。


ぱっちりとした大きい茶色い目。


サラサラで、茶色い綺麗な髪の毛。


華奢な体。


薄いピンクのプルプルな唇。



「…え、あぁ…何?」

やべぇ…見惚れてて用件忘れてた。



「空見さんのお宅ってどちらか解りますか?」


「あぁ…俺んちだよ。それ」


ここは小さな村だし、この名字は俺んちだけだからな。


「そうなの?良かった…ちょうど道に迷ってたの。

案内してくれない?」


「え……なんで?」


「あっ、ごめんね?
紹介忘れてた!
私の名前は海原水樹。
今日から空見さんのお宅にお世話になるんだ!」


……?

状況が飲み込めない。


困惑している俺に気づいたのか、

「あぁ…えっと…とにかく!
後で話すからさ!ね?
葵くんのお母様はもう知ってるよ?」


…って、母さんはなんで何も言わないんだ。


「……解った。付いて来い」


「ありがとう!

ところで何釣ってたの?」


「魚」


「へぇ……持ち帰んないんだ」


「うん」


ちょっとした雑談をしながら、

家に向かった。


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