君とすごした5日間
良い匂い…


今日はカレーかな。

キッチンに行くと、水樹が母さんとカレーを作ってた。


「もうすぐできるよっ!」


水樹はニコッと笑った。


鼓動が速まったことは、ここだけの秘密。


「…あぁ、スプーン用意するわ」


「ありがとー」


今日はなんとなく、家の雰囲気が明るかった。


父さんも母さんも上機嫌。


…水樹がいるおかげかな。


てか、このカレーうまい。


「水樹ちゃん料理うまいからビックリしちゃったわ~」


「将来は、いいお嫁さんになれそうだね!」

父さんは、なに言ってんだよ…


なんとなく水樹の方をみてみた。


……え?


水樹は、すごく悲しそうな顔をしていた。


なんでそんな悲しそうな顔してんだ?


母さんも父さんも気づいてない…


俺はカレーをあっと言う間に平らげた。


「ごちそうさまでした」


「おいしかった?」


水樹は元の笑顔に戻っていた。


「……うん。うまかった。」


気のせいか……?


そう思うことにした。

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