イクメン作家と恋心。初期版。(修正済み&205ページ挿し絵有り)

あ、名前…覚えられた。

「あの…もうですか?ペンネームは…」

どうしても彼のペンネームを知りたくなった。

先生のライバル…。

「あぁ…俺は、岩神飛鳥(いわがみ あすか)
ペンネームもそのままだから」
それだけ言うと去って行った。

岩神飛鳥か…。

自分の作品に自信があるようだし
一体どんな小説を書くのだろうか?

違う意味で気になってしまった。

(そうだ。本屋ならあるかも…)

私は、本屋に戻り彼の作品を探した。

すると先生の本から少し離れた場所に
出たばかりのようでたくさん並んでいた。

『青木新人賞を受賞・若手作家デビュー作
岩神飛鳥。ミステリー小説発売』と
大きく看板に書かれてあった。

えぇっ!?

青木新人賞といえば、
ベストセラー作家の登竜門とも呼ばれている。

先生もここからデビューしたらしい。

つまり、それに選ばれるという事は、
かなりの実力者だと言うこと…凄い。

そんな凄い人に助けてもらった上に
気軽に話しかけてしまったわ。

失礼な事を…。

あわあわと動揺してしまった。

どうしよう。苦情とか言われたら
でも笑ってくれたし、怒ってないみたいだし
きっと大丈夫よね?

そう自分に言い聞かせながら自宅に帰った。

自宅に着くと袋から小説と雑誌を取り出した。

先生と彼…岩神さんの小説。
どっちから読もう?

どちらも読んでみたかったけど、
取りあえず最初に岩神さんの方を読む事にした。

椅子に座るとページをめくる。

すると…次から次へとページをめくってしまう。

お、面白い。

お調子者の探偵であり主人公が
おねぇキャラの助手の力を借りて
難事件を解決していくストーリーだ。

この2人のやり取りが
また可笑しくて夢中でお風呂に入るのも忘れて
読みふけた。

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