イクメン作家と恋心。初期版。(修正済み&205ページ挿し絵有り)

読み終わった時には、23時過ぎていた。

「あら、もうこんな時間だわ!?」

大変…明日も仕事あるのに
まだ先生の小説も読んでいないのに…。

急いで立ち上がろうとするが、
膝が痛み顔が引きつった。

「…っ!!痛い…」

そうだった…私、怪我したんだった。
手当てもしなくては……。

結局、手当てもそこそこに先生の小説も手を出した。
だって、ファンだし…。

これもまた、夢中に読んでしまうぐらい面白かった。
読み終わった頃には、3時になっていた。

眠い…。

翌朝、会社に行ってもあくびばかりする。

おっと…いけないわ。はしたない。

「小野木。ちょっといいか」

すると編集長から名前を呼ばれた。

「は、はい」

慌てて返事をするが心臓は、ドキドキだ。

怒られたらどうしよう。

編集長のデスクに行くと

「今度、青木賞の輝いた
人達の受賞パーティーがあることを
知っているか?」

そう尋ねてきた。

「…いえ、知りませんでした」

「そうか。そのパーティーには、
今回の受賞者達だけではなく
今までの受賞者や著名人などたくさんの
偉い方が出席するんだ。
取材陣もたくさん来る盛大なパーティーなのだが
そこに蓮見先生も参加してくれるように
頼んでくれないか?」

「せ、先生をですか!?」

いや、普通に考えたら
受賞経験のある先生が出席するのは、
おかしくないのだけど

でも、先生…って
こういうの嫌いではなかったっけ?

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