イクメン作家と恋心。初期版。(修正済み&205ページ挿し絵有り)
パンケーキのように甘くない。
「先生…!!」
名前を呼ぶと先生が気づいてくれた。
「あ、来たか。悪かったな。
昨日のこと…」
「いえ。またお誘いありがとうございます。
睦月君、こんにちは」
少し屈めながら挨拶をすると
「こんにちは」と挨拶をしてくれた。
相変わらず可愛らしい。
真っ直ぐと前を見るとまだまだ列が続いていた。
チラチラとこちらを見られているけど…。
パンケーキなだけはあって学生や
女性客がほとんどだ。
「ったく、よくあんな胸くそ悪そうなもんを
食べるために並べるよな…理解できん」
ブツブツと文句を言いながらも
睦月君のために並ぶ先生は、優しいと思う。
「確かに、凄い列よね。
ですが、それぐらい美味しいって事ですよ!
女性は、甘いの好きですし」
ニコッと笑顔で言った。
「…そんなもんかね…」
呆れながらも前を見る先生。
すると睦月君がスカートをツンツンと
引っ張ってきた。
見下ろすと抱っこをねだってきた。
「はいはい。抱っこね…あ、そうだわ。
睦月君にプレゼントがあるの」
そう言うと買ったスイーツの雑誌を取り出した。
睦月君に渡すと子供にとったら
サイズが大きく持ちにくそうだった。
抱っこしてあげると
「ありがとう」と言いながらも
雑誌を見る睦月君。
その目は、キラキラして夢中で読んでいた。
どうやら気に入ってくれたようだ。