イクメン作家と恋心。初期版。(修正済み&205ページ挿し絵有り)
店員さんに頼むと私は、先生を思わず見つめる。
「何だ?何か用でもあんのか?」
あ、気づかれてしまった!?
「い、いえ…あの……」
言わなくては…先生に受賞パーティーのこと
「あの…実は、今度。
青木賞の受賞パーティーがあるのですが
ご存知ですか?」
「あっ?もう…そんな時期か」
どうやら知らなかったみたいだ。
「それでですね。受賞パーティーに
ぜひ先生も参加して頂きたいのですが…」
「断る!」
清々しいほどバッサリと断られた。
えっ…?
「あの…でも、先生も昔受賞されたんですよね?
なら、受賞者の先輩として
何かアドバイスをして差し上げたら
どうですか?」
何とか説得してみる。だが、
「……なら、なおさら断る」
「えっ!?どうしてですか?」
やはり取材陣や
睦月君の事があるからだろうか?
「新人でも受賞者してデビューするなら
ライバルになる。
何でライバルにわざわざアドバイスをしないと
いけないんだ!?」
そう言い切る先生。
ライバルって…。
だがその瞬間
岩神飛鳥の顔が浮かんだ。