イクメン作家と恋心。初期版。(修正済み&205ページ挿し絵有り)
「こんな甘ったるいのに
さらにメイプルシロップって…胸くそ悪りぃ」
ブツブツと文句を言いながら
先生は、パンケーキにメイプルシロップをかけた。
そして睦月君に食べやすいように
フォークとナイフを使い切ってあげていた。
優しいな。
切り終わると睦月君の前に置く。
フォークを持たせてもらうと
もぐもぐ食べ始めた。
「美味しい?」
私が尋ねてみると睦月君は、
コクリと連続で頷いた。
どうやら凄く美味しいようだ。
私も一口食べてみると並ぶだけあって
美味しかった。
ふわふわで甘い。
「本当…美味しい」
これは、人気が出るのも頷ける。
「……お前ら本当に甘いの好きだよな」
呆れつつコーヒーに口をつける先生。
すると目線が痛い事に気づく。
チラッと食べながら
横を見るとあちらこちらの女性客や
女性店員がこちらをチラチラ見ていた。
(うっ……見られている)
先生と睦月君が居るのだから当たり前だけど
見られるとなると恥ずかしい。
しかし先生は、気にする事もなく
いつの間にかパソコンを起動させていた。
あ、これから仕事をやり始めるんだ?
この状況でよくやれるなぁ……。
ある意味感心する。
チラッと睦月君を見ると
口のまわりは、生クリームがついていた。
「あ、睦月君…」
生クリームを取ってあげるため声を
かけようとすると
先生が生クリームを取ってくれた。
「ったく、ついてるぞ」
ペロッと取ったクリームを舌で舐める先生。
その姿は、なんだかエロい。