イクメン作家と恋心。初期版。(修正済み&205ページ挿し絵有り)
小さなヒーロー。
「念のために言っておくが
お前の所の編集長から何度もお前の携帯に
電話していたぞ?うるせーぐらいに」
「……えっ?」
私は、慌ててベッドのそばにあった
スマホを取った。
着信履歴5件。
しかも岩神さんの着信まで
あぁ、やってしまった。
自分が寝ていて気づかなかったなんて
後で怒られるだろうな……間違いなく。
しゅんと落ちんでしまう。
「とにかくテレビ局に
睦月を連れて行く訳には、いかないから
お前は、睦月とお留守番だ。」
「そんな……」
担当編集者として一緒に行きたいのに。
いや、しかし確かに
睦月君を連れて行く訳にはいかないし
こればかりは、仕方がない。
「分かりました」
私は、諦めて承諾した。
先生が出かけると私と睦月君だけになった。
2人きりになるのは、
何回もあるがお留守番は、初めてだ。
「あ、会社に連絡をしておかないと!?
睦月君。電話が終わったら朝食に行こうね」
そう言うとコクリと頷いてくれた。
電話は、やっぱり編集長に怒られた。
しかし、状況を知っているため
そのままお留守番する許可を貰った。
そして、睦月君を連れて
バイキングをやっているホールに向かった。
ホールは、たくさんのお客とテーブルがあり
バイキング形式のご馳走がたくさん置いてあった。
「うわぁ~凄いね。何処かの席を取らないと」
取りあえず私達は、席を探した。
座る場所が決まると料理を取りに行く。
睦月君は、キョロキョロと夢中で見ていた。
「どれにする?」
そう尋ねると指を指して
どれがいいか教えてくれた。
私は、指を指した料理をお皿に盛り付けた。
自分もいくつか取ると席に戻り食べた。
やっぱり高級ホテルだけあって美味しい。
色々あるから、どれにするか迷うし
「美味しいね?」
そう尋ねると睦月君は、コクリと頷いた。