イクメン作家と恋心。初期版。(修正済み&205ページ挿し絵有り)
許可をくれたので隣に座った。
「睦月君は、ハッピーセットにしたんだよね?」
そう尋ねるとコクリと頷かれる。
しばらくすると隣の席に座っていた
女子高生の友達らしき子が数人戻ってきて
「ちょっと、今さ~凄いイケメンが居たんだけど
なんていうのロック系の銀髪で背が高くてさ」
夢中で話す女子高生達を見て
すぐに先生の事だと理解した。
すると先生がハンバーガーなどを
乗せたトレーを持って戻ってきた。
そうすると女子高生達が騒ぎ出した。
先生がお構い無しに私達の前に座った。
「ほら、これで良かったか?」
そう言うと私には、頼んだカフェラテとポテト
睦月君には、おもちゃを渡した。
「ありがとうございます。
あの…お金を払いますね」
慌ててカバンからお財布を取り出そうとした。
だが……
「いらん。大した値段ではないから気にするな。
とりあえず静かに食え」
先生は、そう言いながら睦月君が食べやすいように
ハンバーガーを包みから取り出してあげていた。
ストローも取り出してジュースに挿してあげる。
そしてカバンからノートパソコンを取り出すと
テーブルに置いた。
「先生…ここで執筆なさるのですか?」
「あぁ、時間が惜しいからな」
徐に眼鏡を取り出しつけると
パソコンを起動させる先生。
(先生は、執筆をする時に眼鏡をかけるんだ?)
不思議な感じもするが、知的な感じがして
素敵だと思った。
カッコいい…。
だがそう思ったのは、私だけではないみたいだ。
さっきの女子高生達は、先生をチラチラと
見ながらこっそり
「眼鏡つけてパソコンを打ってる…意外。
でも、知的イケメンっぽくて超カッコいい~」
「あの子供…息子だよね?めっちゃパパ似じゃない?
可愛い~」
「でもさ、なら隣に居る人って誰?ママ?
だとしたら、普通過ぎてありえなくない?」