イクメン作家と恋心。初期版。(修正済み&205ページ挿し絵有り)
(うっ……)
その女子高生達の会話を聞いて複雑な気持ちになる。
確かにその通りだから
明らかに私は、2人と比べると場違いだろう。
チラッと前を見ると先生は、気にする事なく
パソコンを打ち続けていた。
申し訳なさそうに周りを見てみると
他の女性客もチラチラとこちらを見ていた。
完全に注目を浴びてしまう。
そうしたら睦月君がツンツンと服を引っ張ってきた。
「うん?どうしたの?」
尋ねるとハッピーセットについていた
おもちゃを私に渡してきた。
えっ?
何故おもちゃを私に……?
「えっと……私に貸してくれるって事かな?」
よく分からないけど尋ねてみた。
そうするとコクリと頷いてくる睦月君。
どうやら正解らしい。
睦月君…。
もしかして私の気持ちを察して
励ましてくれているのだろうか?
「ありがとう睦月君。大切に借りるわね」
ニコッと微笑みながら言った。
あ、よく見ると睦月君の手がハンバーガーを
食べていたせいでベタベタになっていた。
拭かないと…。
「お手手がベタベタだねぇ~」
何か拭くものを…あ、手洗いに行った方が早いかしら
ハンカチをカバンから取り出そうとしたら
先生がウェットティッシュを私に差し出してきた。
「手を拭いてやるなら、これを使え」
「あ、ありがとうございます。お借りします!」
用意してあるなんてさすがだわ。
ウェットティッシュを受け取ると
睦月君の手を拭いてあげた。