イクメン作家と恋心。初期版。(修正済み&205ページ挿し絵有り)
先生の奥さん。
「随分とガキっぽいのが嫌いだな。
しょうが焼きか……睦月は、今晩それでいいか?」
睦月君に尋ねるとコクリと連続で頷いてくれた。
どうやら大賛成のようだ。
良かった……。
「なら、肉を買うか…それと生姜と…」
ブツブツと言いながら肉売り場に向かう先生。
どうやら今日の献立は、私の希望通りに
なったらしい。
やった…。
女としてそれは、どうかと思ったが
作って貰えるとなると
やっぱり嬉しい。
若干、申し訳ないけど…。
それ以外にもお肉や魚などをカゴに入れていく。
「先生は、まとめ買いをするタイプなんですか?」
「まぁな。仕事が忙しいといちいち行くのが
面倒さいからな。
その時によって足りない物を買い足すぐらいだ」
そう言って教えてくれた。
私もまとめ買いをする時があったが
以前あるのを忘れて同じ物を買ったり
賞味期限がギリギリになってしまうので
なるべくその日の分だけ買うようにした。
まぁ、先生がそんな失敗とかしないだろうけど
店内を回るとお菓子コーナーにたどり着いた。
お菓子を見ると睦月君は、私の手を離し
駆け寄って行く。
そうすると先生は、
「何処かに食べに行きたいのならお菓子は、
1つにしておけ。分かったか?睦月」
睦月君にそう言い聞かした。
睦月君は、理解したらしくこちらを
振り向くとコクリと頷いた。
そして、真剣にお菓子を選んでいた。
その姿は、子供らしくて可愛らしい。