イクメン作家と恋心。初期版。(修正済み&205ページ挿し絵有り)
「ううん。相手が居る訳ではないから
残念ながらまだ」
私は、正直に話した。
「へぇ~木村さんは?」
「私もまだよ。涼花と同じ」
ムスッとした状態で応える梨子。
梨子…。
すると白井さんは、クスクスと笑いながら
「あら、そうだったの?
それは、悪い事を聞いちゃったわね。
ごめんなさい。でも今は…婚期が遅いと言うし
焦る事はないわよ。
まぁ私は、早かったけど…」
「いい?好意を持った人が現れたら
自分から行かないとダメよ。
あなたレベルの人が待った所で誰も声なんか、
かけてこないのだから。
まぁ、私みたいなレベルになると黙ってても
向こうから声をかけられちゃうのだけどね」
得意気に自慢話を始めた。
私は、苦笑いしながら聞いていると向こうから
「美麗」
旦那さんがこちらに来た。
「あ、洋一さん!!」
すると旦那さんは、こちらを見ながら
「こちらは、誰だ?」と尋ねてきた。
「あ、始め…」
「こちらは、私の高校時代のクラスメートで
友人の涼花と梨子。
もう私達の結婚式を見て羨ましいって
褒めてくれてたのよ」
被さるように間に入ってくる白川さん。
えっ…?
彼女の突然の発言に驚いてしまった。
私も梨子もクラスメートだけど
友人ではないし…そんな事を言った覚えはない。