イクメン作家と恋心。初期版。(修正済み&205ページ挿し絵有り)
「それは…」
返事に困っていると
「今日見た事は、美麗に黙っていてほしい」
そう私に言ってきた。
黙っていてほしいも何も本人に
こんな事は言えない。
しかし、浮気している現場を見てしまった以上は、
そのままにしていていいのだろうか?
困惑している私に白川さんの旦那さんは
「別にバレる事には、問題ないが
あの女の事だ。
下手に周りに言いふらされて
俺のイメージダウンになったら困る。
ったく、だから
結婚なんかしたくなかったんだ。
なのに妊娠が分かった途端強気になりやがって…」
ブツブツと文句を言い出してきた。
私は、その言葉を聞いて唖然とする。
俺のイメージダウンとか、そういう問題?
この人は、白川さんの事を何と想っているの?
披露宴では、あんなにラブラブだったのに
「あなたは、白川さんの事を何だと
想っているのですか!?
浮気なんて恥ずかしい事だと思わないのですか?」
信じられない。
すると旦那さんは、クスッと笑みをこぼした。
「何って…そんなの決まっているだろ。
利益のためだ。
あの女は、見た目が良かったから
遊んでやったのだが、さすがにデキてしまったのは、
誤算だった」
「まぁ、デキる夫アピールには、なるが
だが、不倫とか噂されて
俺に対する評価が下がるのは、まずい。
それだけは、避けないと…」
この人は、どれだけ最低なのだろうか?
まったく自分の事しか考えていない。
それは、さすがに白川さんが可哀想だ。
あんなにプライドの高い人なのに…。
先生と比べものにならないぐらいに違い過ぎる。