痛々しくて痛い
「えと…。この箱は、どこまで積み上げますか?」

「あ、そうそう。その問題があったよね。あんまり高くしない方が良いと思うんだ。ぐらついて危険だし。だから、3箱くらいまでが限度かな」

「そうですね…」

「もしくはそこまで溜めなくても、以前やった時は、一箱処理が終わった段階で当該部署に返して来ちゃってたんだけど」

「あ、その返却作業は俺か颯がやるから。とにかく綿貫さんにはひたすら入力を頑張ってもらいたいんだ」

「もしかしたら被ってる雑誌があるかもしれないけど、当然、入力するのは最初に手に取った1冊で良いからね」

「で、すべて処理が終わった時点ではもちろんだけど、合間合間に小まめに上書き保存しておいてもらいたいんだ」

「分かりました」


交互に指示を出して下さっている染谷さん絹田さんに視線を配りながら返答する。


「プレスリリースの作成については後日、皆で話し合いながら進めて行こうと思う。とりあえず現段階では様々なメディアの連絡先を集めておきたいんだ」

「すっごい地道な作業で大変だと思うけど、よろしくね」

「適度に目を休ませつつ、頑張ってくれ」

「はい。ありがとうございます」


労いの言葉を残し、自分達の仕事に取りかかるべく席へと戻ったお二人を見届けてから、私も改めて端末に向き合った。


さて、と。


心の中でひそかに気合いを入れながら与えられた業務に取りかかる。
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