痛々しくて痛い
「ええ。今年58ですから。でも、父が28、母が27の時の子ですよ?私。そんなびっくりするほど若い父母ではないと思うんですけど」

「あ、いや。俺の親はもう70なもんで…。まぁ、上に二人兄貴がいるから仕方ないんだけど」


そこで染谷さんは伊織さんから視線を外し、私達を順に見ながら言葉を繋いだ。


「キミ達の親御さんは?何歳くらい?」

「あれ?うちの父ちゃんと母ちゃんて、今いくつだったっけ?」


空中を仰ぎ見ながら颯さんが声を発する。


「でも、働いてるんだから、まだ定年は迎えてないって事だよな。多分、50後半です」

「…じゃあ、二人のご両親は50前半から半ばくらい?」

「そう…ですね」

「あ、はい」


染谷さんの問い掛けに麻宮君と私は同時に答えた。


お父さんが54で、お母さんが50だから、そうだよね、前半だよね。


「うわー。若いなー。まぁ、キミ達自身がバリバリヤングなんだから当たり前の事なんだけど」

「えっと、入社してもうすぐ3年目に突入って事は、二人は今年25になるんだよね?」


「はい…」
「あ、俺は違うんですよ」


颯さんの確認に私は肯定したけれど、麻宮君はすぐさま否定し、続けた。


「俺、3月30日生まれだから。今年25じゃないんです。しかもまだ現時点では24にもなっていないという」

「へぇー!そうなんだー」

「愛実は?」
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