痛々しくて痛い
「まぁとにかく、若いチームではあるけれど、それ故に新境地を切り開く可能性を秘めていると、あらゆる方面から期待視されている。その想いを裏切る事のないよう、精一杯頑張って行こう」

「そうですね」

「うん、頑張りましょう!」


伊織さんと颯さんの返答に続き、私と麻宮君も力強く頷いて意思表明をした。


「て訳で、話を本筋に戻すぞ。さて、どうしようかね?」


右手の人差し指でデスクをトントンとつつきつつ、染谷さんは改めて全体に向けて問い掛ける。


「『効果的な宣伝方法』について、何か案はあるか?」

「んー。そうですねー」


腕を組み、眉間にシワを寄せてしばし考え込んだあと、颯さんは言葉を発した。


「真々田屋のマスコットを作るとか?」

「ん?」

「ホラ、今や空前のキャラクターブームじゃないですか。各都道府県、市区町村、大手企業なんかはオリジナルキャラクターを設定してて、広告塔として活用してますから。真々田屋もそういうのを作っておくのはどうかな~と思って」

「ふむ…」

「社内報や企業パンフレットに使用するのはもちろんのこと、着ぐるみを作成してイベント時に登場させたりして。二次元三次元両面で活躍させる訳ですね。60周年記念祭だけじゃなく、その後も何かしらそういった機会は続くでしょ?」


そこまで一気に話終えてから、颯さんは何やら思案している染谷さんに向けておずおずと問い掛けた。
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