痛々しくて痛い
そのまま『私なんて…』と言葉を続けそうになったけれど。


「うん、そうだよねー」

「愛実の能力を見抜いて上に強く推していたのであろう直属の上司と、その意見をしっかりと拾い上げた人事のグッジョブっぷりも忘れちゃいけないでしょ」


颯さんと伊織さんのその発言に、心底驚いて思わず二人を交互に見やると、染谷さんと麻宮君同様、微笑ましそうに私を見守って下さっていた。


「……あ」


そっちじゃない、と瞬時に思う。


「ありがとう、ございます」


今、私が言うべき言葉はこれだった。


「とても、光栄です…」


卑屈になるのはむしろ、皆さんに対して失礼な事だ。


この想いは、正直に伝えなくちゃいけない。


だって、ホントに嬉しいんだから。


麻宮君に誉められた。


明るくて爽やかで優しくて、常に人々の輪の中心に存在していた、あの人気者の麻宮慧人君に。


そして彼と同じく、常に明るい太陽の下を歩いて来たのであろう、自身も内側からキラキラと目映い光を発している、染谷さんと伊織さんと颯さんにまで。


そんなすごい方達に受け入れてもらえた。

認めてもらえた。


嬉しい。


すっごくすっごく嬉しい。


めったにこんな事はないのだけれど。


注目されると、いつもはすぐに伏せてしまう顔と視線を今日はしっかりと上げ、皆さんに応えるように、私も自然と満面の笑みを浮かべていたのだった。
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