痛々しくて痛い
アミ
「愛実ちゃんおはよう!」
いつものごとく、早めに出勤し、自分の席でお菓子をつまみながら寛いでいると、颯さんが元気良く出勤して来た。
「ねーねー、これ見て!」
一旦自分のデスクまで歩を進め、パソコンを立ち上げ出勤の打刻をしてから、颯さんは私の傍らへと近付いて来た。
「この前言ってたままだやん。きちんとパソコンで描いてみたんだー。色も塗ってみたよ!」
言いながら、手にしていたA4サイズの透明クリアファイルを、私が見易いようにキーボードの上にそっと置いた。
「あ、可愛い~」
中に紙が挟まれていて、そこに印刷されているデザイン画を視界に納めた瞬間、私は思わず(普段よりかは)テンション高く声を上げてしまった。
だって、ホントに可愛いんだもの。
「でね、でね、色々設定も考えてみたんだー」
デスクの端に手を着き、身を乗り出して、颯さんは興奮気味に解説を始める。
「え?設定?」
「そう。ままだやんは『ままだ星』に住む、ちょっぴりやんちゃで元気な10才の男の子でね」
「…はい」
「ままだ星では、その年になったら職場体験ならぬ『地球体験』に行かなくちゃいけなくて、なおかつ何らかの技術を学んでこなくちゃいけないんだけど、色々悩んだ結果、ままだやんは…」
そこでちょっとためてから颯さんは続けた。