痛々しくて痛い
乗り遅れてしまったけれど、私も当然、二人と同じテンションである。


金曜日、事前に提出していた稟議書が通り、染谷さんが定時間際にママ☆ラボ編集部さん宛に取材をお受けする事、そして対応可能な日時を記載したメールを送信していたのだ。


それに対しての返信が届いていたようだ。


雑誌の編集部って遅くまで残業してたり、土日も関係なく交替で出勤してそうだもんね。


「もう、このままミーティングに突入するか。えーっと?取材日時はこちらの希望通り、今週金曜日の13時から、3~4時間程度。本社内の各部署を訪問して代表者にインタビューをした後、会議室に移動して、商品企画開発部の代表者と我が部署で、入園入学グッズに関するサービスはもちろんの事、その他の商品ラインナップと、今後の販売促進のプラン等についての取材を受ける」

「あ。そしたらアレ、用意しておかなくちゃいけないんじゃないですか?」


そこで颯さんがハタと気付いたように言葉を発した。


「ん?アレ?」

「入園入学グッズのサンプル。『こんな風にオーダーいただくと、こんな感じの物が出来上がります』的な事を説明する為に」

「ああ、それなら企画開発部に置いてあるよ」

「あ、そうなんですか?」

「といっても、別に今回の為に作った訳じゃないけどな。毎年店頭ポスターやホームページ等でそのサービスを告知してるから、それの写真撮影用だ」
< 281 / 359 >

この作品をシェア

pagetop