痛々しくて痛い
「そっか、じゃあ問題ないですね」

「で、まだ続きがあるぞ。『取材時にお聞きしたい内容を箇条書きにした文書を添付しておきますので、事前に目を通しておいて下さい』だってさ。プリントアウトして、各担当者に配布しておくか」


颯さんに返答しながらメールの続きに目を通していた染谷さんは、そう言いつつマウスをカチャカチャと動かした。


ほどなくしてプリンターが動き出し、当該資料をせっせと吐き出す。


「取材を受けるのは会長はもちろんのこと、総務部の中の総務課と人事課、商品企画開発部、そしてウチですよね」

「ああ。で、各部署でのインタビューに関しては全員に話を聞いて回っていたらいくら時間があっても足りないから、代表者が答える事になっている。一応今のところ総務部長と課長、人事課長、企画開発部長にお願いしてあるんだが、もし、当日何かしら予定が入ってしまった場合は次席の役職者だな。まぁ、その時の調整は各担当者にお任せしてあるから俺達が頭を悩ませる必要はない」

「ウチの場合はどうします?ママ☆ラボの記者さんとカメラマンさんを各部署へ案内しつつ、取材を受ける側にもなる訳ですよね?」

「案内役は颯で、インタビューは俺が答えようと考えている。といっても、取材には最初から最後まで皆にも立ち会ってもらうぞ」


視線の先を質問者の麻宮君から全体へと移して染谷さんは話を続けた。
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