痛々しくて痛い
「あ。でも、形はあらかじめ決められたパターンの中から選んでいただくんです。その方がお客様も迷わずに済みますし。それが決まれば必要な材料も絞り込めますので、そんなには時間は取られないですよ。お客様の方も、お家でだいたいイメージを固めてからご来店されますし。セット内容にご納得いただいてから布地の裁断をするんですけど、そこまで入れても所要時間は長くて20分くらいじゃないでしょうか」
「あら、そんなもんなんだ」
質問者の伊織さんは意外そうに目を見開いた。
「はい。そしてご希望の場合はその材料をお預かりして制作にとりかかる訳ですが…。種類によってもちろん違いはありますけど、一番ご要望の多い手提げカバンでしたら10数分で出来上がります」
「えっ。ホント?」
「はい。ちょっと残業すれば、数人分のご注文はすぐに捌く事ができます」
「ん?わざわざ残業してたの?」
「あ、えっと」
伊織さんの疑問を解消する為にお答えしているというのに、また新たにそれを増やすような言い方をしてしまい、私は慌てて解説を続けた。
「勤務時間内はやはり通常の業務がありますし、その間に作品作りをするというのは中々難しいのですよね。各店舗、ギリギリ営業が成り立つ人数しか配置されていない訳ですし」
「そうそう。私が言いたかったのはまさにその事なんだよ」
「あら、そんなもんなんだ」
質問者の伊織さんは意外そうに目を見開いた。
「はい。そしてご希望の場合はその材料をお預かりして制作にとりかかる訳ですが…。種類によってもちろん違いはありますけど、一番ご要望の多い手提げカバンでしたら10数分で出来上がります」
「えっ。ホント?」
「はい。ちょっと残業すれば、数人分のご注文はすぐに捌く事ができます」
「ん?わざわざ残業してたの?」
「あ、えっと」
伊織さんの疑問を解消する為にお答えしているというのに、また新たにそれを増やすような言い方をしてしまい、私は慌てて解説を続けた。
「勤務時間内はやはり通常の業務がありますし、その間に作品作りをするというのは中々難しいのですよね。各店舗、ギリギリ営業が成り立つ人数しか配置されていない訳ですし」
「そうそう。私が言いたかったのはまさにその事なんだよ」