痛々しくて痛い
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アミ
「いやー、マジびっくりしたよ」
会合が終わるやいなや、麻宮君は笑顔で私に近付いて来た。
「まさかここで綿貫に再会するなんてさ。いや、1週間前に渡された書類にメンバー名が印字されてたから、その時から把握はしていたけども」
「う、うん…」
「でも、実際今日姿を目にして『あ、やっぱ間違いじゃなかったんだ』って、改めて実感したっつーか」
「わ、私も、びっくりした…」
同期入社の社員と同じ部署に配属されるという事自体はさほど驚くような事ではないのだろうけど、総勢5名のメンバーのうちの2名というのがすごい比率だなと…。
そしてそれよりも何よりも、麻宮君にこんなに明るくフレンドリーに話しかけられているというこの状況に、大いに戸惑いを感じている。
てっきり、表向きはそつなく、だけど『仕事以外でコイツと関わるのはまっぴらゴメン』という本音が丸分かりの、正真正銘ビジネスライクな姿勢で対応されると思っていたから。
「新入社員研修以来だから、約2年ぶりだよな。何かここまで来るの、あっという間じゃなかったか?」
それとも、今日はまだとりあえずの顔合わせだし、他の人のパーソナルデータも良く分からない状態だから、まずは友好的な態度で私を油断させておいて、周りを味方につけてから、じわじわと復讐を開始するつもりなんだろうか?
……って。
そんな、心理サスペンスドラマじゃあるまいし。