痛々しくて痛い
「うん。私も、ご飯のおかずなんだから砂糖の主張があまりにも強過ぎるのは苦手だな」

「惜しむらくは使い捨て容器って所だよなー」


伊織さんに続いて、染谷さんが眉尻を下げながら発言した。


「重かなんかに入ってれば完璧だったんだけど。実際そっちも選べるんだけどさ、使い捨てでって注文しちまったんだよな」

「ああ、それで良いんじゃないですか?だってお重だと、食べ終わった後ざっと中身を洗ったり、回収場所や方法を決めておかなくちゃいけなくなったりして余計な手間が増えてしまうし」

「そうそう。それにぶっちゃけ味はそんな大して変わらないと思うし。使い捨て容器で充分ですよ」

「そうか?」


伊織さんと颯さんの言葉に、染谷さんはホッとしたように箸で掴んでいたご飯を口内へと運んだ。


ここまで麻宮君は会話に参加せず、黙々とお弁当を食していた。


いや、私もただ黙って皆さんのお話に耳を傾けていただけだし、そこをどうこう言う筋合いはないのだけれど。


ただ、ちょっと前までの麻宮君だったら合間合間で陽気に言葉を挟んでいたので、やっぱり何かしら気がかりな問題を抱えていて、外部に目を向けているような余裕がないんだろうなと思うと、私までちょっぴりブルーな気持ちになってしまうのであった。


「愛実ちゃんて、お魚の食べ方上手だよねー」
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