痛々しくて痛い
アミ
「いや~、でもホント良かったよねー。あ、愛実ちゃん。早くお弁当食べちゃいなよ!」
そうですよね、颯さん。
お魚ちゃんに罪はない。
でも、今はちょっと、それどころではないというか…。
「良くないですよ」
そこで麻宮君が、視線は私に向けたまま、地獄の門番かと思うような、低い、ドスのきいた声で颯さんの言葉を否定した。
「皆に心配かけて、迷惑をかけて、何か言わなくちゃいけないことがあるんじゃないのか?綿貫」
そして私に物申す。
その迫力に圧倒されながらも、その通りだよね、と納得し、皆さんに頭を下げつつ謝罪した。
「大事なお仕事前の貴重な休憩時間を潰してしまい、大変申し訳ない事をいたしました」
「い、良いよ良いよ!何ともなかったんだから」
「そうそう、結果オーライ!」
すぐさま染谷さんと颯さんがフォローしてくれる。
「普段の誰かさんのうんざりするようなボケ攻撃に比べたら、こんなの可愛いもんだよね」
「え?それって誰のことですか?」
キョトンとしながら問い掛ける颯さんを、発言者の伊織さんが冷めた目で見つめ返した。
でも、それよりももっと、凍りつくような眼差しで私を凝視している人が、今、目の前にいるのです…。
「緊張感が足りないんだよ。もっとしゃんとしろ」