痛々しくて痛い
皆さんに眼前まで迫られ、私の鼓動は急激に高まった。


にこやかに接していただいているにも関わらず、尋常じゃないレベルの『圧』を感じる。


大きな要因はその背の高さにあるのだろうけど。


麻宮君と染谷さんと大庭さんの男性陣は推定180センチ前後、絹田さんも、女性にしては長身で、おそらく170弱はあると思う。


いや、私も164センチなのだから、決して小さい方ではないのだけれど、自分より上背のある方数人に囲まれて、見下ろされる格好での会話というのは圧迫感と緊張感が半端ない。


そしてそういう物理的な問題だけではなく、何というか皆さん、体の内側から華やかでキラキラなオーラがこれでもかとばかりに溢れ出していて、間近で対応するにはあまりにも眩し過ぎて…。


「あ。でも、1年の時は別だったし、同じクラスになってからも、ほとんど会話を交わさなかったんですよ。だから『10年来の付き合い』ってのはちょっと語弊がありますかね」

「そうなの?」

「はい。仲が悪かった訳じゃないんですけど、ウチのクラスは基本的に男子は男子、女子は女子で固まってたから。な?綿貫」

「あ、う、うん」


突然同意を求められ、キョどりながらも何とか返答した。


「まぁでも、高校時代なんてそんなものかもな」

「同性の友達そっちのけで異性と話してたりしたら、すかさずからかいの対象になっちゃいますしね」
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