痛々しくて痛い
私のあの無神経な仕打ちに対して、本当にもうわだかまりは残っていないのか、正直疑ってかかってしまう。
とはいえ、いつまでも逃げ回っている訳にもいかない。
異動の辞令を受けたら、基本、よほどの事情がない限り辞退する事はできないし、麻宮君と新部署で働くのはもう確定事項。
しかも5人という少人数で幅広い業務をこなさなければならないセクションらしいので、彼とも密に接して行く事になるだろう。
覚悟を決めなければならないのは充分過ぎるほど分かってはいるのだけれど、それでも、今の段階ではまだ麻宮君と向き合う勇気は持てそうにない。
私の新しい人生の幕開けとなる運命の日まで、あと3週間あまり。
それまでに色々なシチュエーションを想定してシミュレーションを重ね、万全の態勢で麻宮君とコミュニケーションが取れるよう、心の準備をしておかなければ。
……我ながらつくづく面倒くさい精神構造だなと思うけれど。
社会に出て今春で3年目を迎えるというのに、相変わらず臆病で意気地無しでとっさの応用力が皆無にも程がある、ダメダメな自分自身に心底ため息を吐きながら、私はトボトボと階段を下って行った。
行き先は地上である筈なのに、まるで果てしなく深く暗い、地の底へと向かっているかのような、ダークブルーに染められたヘビーな気持ちを抱えながら。
とはいえ、いつまでも逃げ回っている訳にもいかない。
異動の辞令を受けたら、基本、よほどの事情がない限り辞退する事はできないし、麻宮君と新部署で働くのはもう確定事項。
しかも5人という少人数で幅広い業務をこなさなければならないセクションらしいので、彼とも密に接して行く事になるだろう。
覚悟を決めなければならないのは充分過ぎるほど分かってはいるのだけれど、それでも、今の段階ではまだ麻宮君と向き合う勇気は持てそうにない。
私の新しい人生の幕開けとなる運命の日まで、あと3週間あまり。
それまでに色々なシチュエーションを想定してシミュレーションを重ね、万全の態勢で麻宮君とコミュニケーションが取れるよう、心の準備をしておかなければ。
……我ながらつくづく面倒くさい精神構造だなと思うけれど。
社会に出て今春で3年目を迎えるというのに、相変わらず臆病で意気地無しでとっさの応用力が皆無にも程がある、ダメダメな自分自身に心底ため息を吐きながら、私はトボトボと階段を下って行った。
行き先は地上である筈なのに、まるで果てしなく深く暗い、地の底へと向かっているかのような、ダークブルーに染められたヘビーな気持ちを抱えながら。