【短編】 黒い蝶
「あらぁ、終わったんかいな。
なら、茶の間へ早ういらっしゃいな!」


怒鳴りに近い声を上げた頑固者のおばあさん。


この豪邸宅は和風式で、とにかく、ドアの数と廊下が長い。


しかも、松の木が立派に育つ池ありの中庭まで窓から眺められるし…。

かなりの金持ちみたい…。


おばさんはどこかへと去ってしまい、茶の間がどこなのかわからない状況に今は至る。


あの怒鳴り声を聞いたら、私達も聞くに聞けないわ……。



「どうしますか…後藤さん。」


と、私は聞いても意味のないことを聞くと、


「さあ?どうしよっか。」と。
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