【短編】 黒い蝶
「おばさんが行った方向に行こうよ。」
優姫が提案したその案にのり、右へとひたすら歩く。
「にしても、長い廊下…。曲がり角もいっぱいあるし…。」
と、グチグチとワタシがいうと、
「本当だね。
こんなお屋敷、僕も住みたいなー♪」
と後藤さん。
……警察の制服を来てなければすごく変な大人の人と感じるンだろうなあ。
今は変な警察さん、だけどね。
「あっ、みて。あそこじゃない?茶の間」
優姫が指さした先にはドアの横に「茶の間」の文字が彫り込まれている表記だった。
ガラッ─
入ると、畳一面に広がる10畳くらいの広さだった。
また、殺風景な畳部屋。