【短編】 黒い蝶



端に、座布団が重ね合わせてある。




おばさんはいないみたい…。
どこにいるんだろ?



「とりあいず、ここで待っとくか。」

後藤は呑気に畳に寝転がった。


私達はなんとなく正座で畏まる。

どっちが年上かわかんないや…(笑)


「………………。」


シーン、とした。
うーん、気まずい。


優姫をチラ、と見る。
額には…血が。


あっそうだ。わたし、右手…血が!



「あの、右手洗いたいんだけど…。」

「あ、私も。オデコがぁ…」

「なら、探してきたらどうだ?僕はここで待ってるからさ」


…後藤さんー!!

ま、いいけどさ。
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