【短編】 黒い蝶
ガラッ─
さて、と。
出たのはいいけどどこに行けばいいの?
右には右の廊下がズーッと続いてるし。
左には左が…。
便所っていう表記が左にはなかったし。
右を行くか。
「右行ってみよ?」
と、優姫にいい、右を歩いた。
この家の掃除、誰がしてるんだろ?
埃1つない、ピカピカつるつるの廊下。
こんなに長いというのに…すごいや。
テクテクと周りを観察しながら歩いていると…
〈女子便所〉
があった。
入るとやっぱり和風式、て感じだけど昔ながらでもあり、今風でもある。
お手洗い場がスーパーのトイレかのように鏡はでかく、自動洗水だ。
お借りします。
シャー
右手の乾いた血に染られていたがだんだん肌色に戻ってゆく。
「よし…。おけ!」
と言うと「スッキリしたね!」と嬉しそうな優姫。
「」