君の声
な~んか嫌な予感する…
ゲッ!
大祐と目が合った…
そらすべきか、
合わせるままか、
笑うべきか、
…睨んどくか、
「先生、今睨みをきかせている江口七美さんで良いでしょうか」
「…んあ?あぁ、じゃあ江口よろしく。拍手~」
パチパチパチッ…
ちょっと待ってよ!
否定とか
ダメなんかい!?
「ちょっと大祐ぇ!私副でも嫌だよ、こんな目立つ役割!」
小学校の時から、いつも縁の下の力持ちみたいな役割ばっかりだった。
生物係でザリガニの餌をあげたり、中学校の時の学校祭では劇を選んだわりには音響、そして照明をやったり。
目立つこと、
脚光を浴びること、
それら全てから逃げて生活してきたのに!
「あ~…まあ副だから良いじゃん。俺がほとんどやっちゃるからさ、心配すんな」
な、によ…
そういう時に幼い頃の無邪気な笑顔にならなくたって…
ずるいよ…
「…わかったよ。できるだけ、がんばる」
「うし!偉い!」
そういって大祐は役員決めを手際よく始めた。私は何もできないから大祐の後ろで見ていることしかできなかったけど。