君の声
そういわれて私はトイレをしながらじっくりと考えこんだ。
…これはまずいなぁ
付き合ってなんかないのにさ。
その噂が流れて綾子に聴かれたりしたらまずいなコレは。
あいつにはあんまり近寄らない方が良いかもね。
キーンコーンカーンコーン
まだ聞き慣れてないチャイムが鳴り響いて、高校初めての授業が終わった。
教科書をパラパラと見るだけで頭が痛くなるくらい。
勉強…大変そう。
軽く溜め息をつきながら鞄を肩にかけて、友達にバイバイしながら廊下に出た。
いや、出ようとした瞬間に誰かに手首を捕まれた。
「…待てよ」
「あいたっ!」
いったいなぁ~…
一体誰よ?
乱暴ちゃんは。
――…大祐。
「七美待てよ。ちょっと付き合って欲しいんだけど、今から暇か?」
「えっ!?」
ちょっ、
ヤダ皆見てるじゃない!
誤解されるよ!
「…こっち来い!」
私は何も言えずに強引な大祐に引っ張られて、階段を降りて玄関まで連れてこられた。