君の声
靴置き場の前で、大祐が何かを企んでいるような顔をこっちに向けていた。
一体、何考えてんのよ…
あんまり近寄らないでおこうって決めたばっかりだったのにさ。
「七美、実はさ…」
「…え?」
大祐が頬を赤らめた。
もしかして…
ヤダ
困るよ、
だって、大祐には綾子がいるじゃ
「七美、買い物付き合って!」
…って!
買い物…!?
「綾子に誕生日プレゼント何あげたら良いかわかんなくてさ……だから一緒に選んでもらおう~みたいな」
「一緒にって、ねぇ」
「…ダメ、か?」
…ちょ、ヤダ
そんな可愛くいじけないでよ―――
「大祐君よ?…綾子は大祐が選んだプレゼントを喜ぶと思うんだけど」
「…あ~、うるさい!」
―う、うるさい!?
大祐が私の手首を掴んだ。
そのまま靴箱まで行き外靴を出した。私も慌てて外靴を出して、大祐の思うがままに引っ張られた。
「どうせ暇なんだろ?付き合えよ」
「しっ、失礼ね!私にだって用事くらい……」
「用事くらい?」
「“今日は”ないわよ!」