君の声
そのイケメンは私の目をジッと見ながら、チラチラと横目で大祐を見た。
そして何かを思い出したようにあっ、と言ったと思ったらキラキラと目を輝かせていた。
「どっかで見た事あると思ったら、梅津大祐君でしょ!?」
「…そ、うだけど」
何々?
なんでこの短髪イケメン君は大祐の名前(しかもフルネーム)を知ってるわけ?
「中学ん時シニアです~んごい有名でさぁ!雑誌見たよ!?おととし甲子園で優勝した縦浜高校からの推薦蹴ったんだよね?」
た、縦浜高校っていえば綾子がいる高校じゃん。
そんな凄い高校から推薦来てたのに、どうしていかなかったんだろ?
「…それで、知ってたわけか」
「うん!いやぁ~まっさか梅津君と同じ高校に入れるだなんて光栄だなぁ!…もちろん、野球部に入るよね?」
「入るよ」
「…じゃあ、一緒に野球もできるんだ♪」
その言葉を聞いて大祐の眉がピクッと動いた。
大好きな野球を語る時の大祐の顔。
小学生の時からいつもこんな顔して私に野球の話をしてくれてたっけ。
「クラスと名前は?」
「4組の安藤亮、よろしく!」
「よろしくなっ」