君の声
いやはや、何か私がボケッとしてる間に美しい男の友情が芽生えたね。
いやぁ、実によかった。
「あ、隣空いてるから良かったらここ座ってよ、大祐君」
「お、マジ?じゃあ座ろっと」
鞄は私の横にほったらかしたまま、安藤亮君の隣に腰かけた。
はたからみたら背が高くて相当カッコイイ二人が並んで座ってる。
手すりに掴まってる女の子がひそひそ話をしながら、二人を見ているのがわかる。
そんな二人は見られることに慣れているのか、
はたまた熱い視線に気づいていないだけなのか、
私の方を向いて何やら楽しそうに会話を交わしていた。
「ねぇねぇ、ところでこの子は大祐の彼女じゃないの?凄い仲良しっぽいけど」
「…あ~、こいつは昔からの知り合い、かな」
「そうそう!そうなんですよ、あと大祐の彼女が私の親友なんですわよ!」
話を進める内に安藤亮君の顔が徐々に近くなって来て、つい変な口調になっちゃった。
誰だってこんな綺麗な顔で側に近寄られたら焦っちゃうよ!
「彼女の…親友ねぇ。それにしては仲良いけどね、わかんないもんだなぁ」
「ははは…」