君の声
遅刻したら、完全に乗り遅れた―――
もう話す人がいないよ~
寂しいよ~
一人でかなり虚しくて縮こまっていたら、生徒が一人入ってきた。
長身で少し茶色めの髪…
女の子が何人かその人を見ていた。私もどこかで見たことあるなぁ、と思ってジッと見つめた。
ジッと見つめるもののひどい近視だから、よくは見えなかったけど。
アレ?何か近付いてきた
「あんた、このクラスだったんだな」
憎たらしくニヤッと笑った。
近くで見た顔は思ってるよりずっとカッコ良かった。
女の子が見ちゃう理由も頷けるけど…なんて憎たらしい笑顔!
ていうか“あんた”って知り合い?
「やっぱ間に合わなかったんだな。あんなに必死で“待って~”って叫んでたのによ」
…えっ!?
もしかしてこの男!
私の走る気力を奪ったムカツク笑顔野郎!?
最悪!
「アホすぎて笑えたわ!マジで!…あ、席隣じゃん」
「ウソ!最悪!」
本当に最悪だよ!
女の子達からの視線がチクチク飛んでくるし、あの必死な顔を見られてただなんて…