君の声
大祐と出会ったのは小学校の入学式の時。
小学校1年生の時におませながらに一目惚れをしてしまい、いつもくっついてたっけ(笑)
小一から四年生までずっと同じクラスで、出席番号が近いから一番最初の席は必ずといっていい程隣だった。
でも小四の夏休みが終わってから、お父さんの仕事の都合で転校しちゃったんだよね。
それからは音沙汰なし。
幼いながらに好きだったっていう気持ちは今もまだ覚えてる。
まさか高校で再会するなんて思ってもいなかったけどね。
「で、七美はどうなんだよ。彼氏いねぇのか?」
「“今”は、いないよ」
「“今”って強調すんなよな!…そうか、寂しい人生歩んでたんだな」
そういって大祐は私の頭をポンポンと軽く叩いた。
突然の事にドキッとした
って、私は何をうっかりドキドキしてんのよ!
初恋の人に会っただけじゃない。
それに顔とか雰囲気も…声だって随分低く声変わりしちゃって、あの時とは全然違うのに。
何でこんなに心臓の音がうるさいの!
「“今”がいないだけだからね。前まではちゃんといたんだから!」
「へぇ、物好きな男もいんだな」