君の声
「あぁ~!うるさいなぁ!大祐はどうなのよ!?」
「俺?彼女いるよ」
そうあっさり…
って彼女、いるんだ!
何か信じらんない…
「それに今までも彼女はたくさんできたよ。まぁどれも長続きはしなかったけどさ」
「ふ、ふうん」
こんなに目立つ背丈に顔してたらモテないはずないか。
現に今クラスの女子の数人は大祐の方ばっかりチラチラ見てるしね。
彼女くらい…いるよね。
「今の彼女は可愛い?長く続きそうなの?」
「あ?…まぁ、な。まだわかんねぇけど。付き合ったばっかだし、大切にしたいとは思ってる」
伏せた睫毛の長さに驚きながら大祐の声変わりをした低い声に身を委ねた。
幼い頃の高い声も好きだったけど今の低くて胸の奥に響く声も嫌いじゃないや。
「七美お前友達いないんか?」
「だっだって元中の人一人もいないし、しょうがないじゃない!…あんただって、いないんじゃないの!?」
そう言った後、私の言葉を無視して立ち上がった。さっきから大祐をチラチラ見てた三人組の女の子に声をかけて、楽しそうに話だした。