君ね
さてさて、家に帰ろうかな。

久しぶりの実家だ。

トントン

肩をたたかれ振り向く。

「なー」

ともちゃんだ。

「なにー?ともちゃん?」

「今からちょっとだけ暇?」

「暇だよー」

「じ、じゃー、ちょっと付き合え!」

「お、おう(笑)」

強引に手を引っ張られながら走ってます。

発作が起きそう。

いつもの発作。

はぁはぁはぁ。

「ち、ちょっと待って。しんどいよ。」

「あ、ごめん。つい、走っちまった。」

貧血が・・・

くらくらする。

「だ、大丈夫か?ごめん!ほんとごめん!」

何度も謝るともちゃん。

「い、いいよ。大丈夫だから」

精一杯笑う。

少し深呼吸。

ふーーーーーー。


「あ、てか、なんか用があった?」

「や、あ、あのな!お、俺中学の時、ずっともゆとクラス一緒やったやん?」

「うん。3年間奇跡的に一緒やったね」

「でな、言いにくいんやけど中学の時からずっと、好きだった!だから、俺と付き合ってくれ!」

え?

心臓バクバクです。

でも、ともちゃんは友達で。

それ以上でもそれ以下でもなくて。

どうしたらいいの?

あ、またくらくらしてきた。

私は返事をしないまま、走って逃げてしまった。

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